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SEHSの
日本語版の開発と
国内標準化調査

SEHSの日本語版の開発及び国内標準化調査は、これまで小学生955名、中学生975名、高校生3044名を対象に実施されています。(2022年3月現在)

  1. SEHS-P(小学生対象)の開発状況

    小学生の日本語版の開発は、飯田他(Iida、Ito、Aoyama、Sugimoto、Endo、Chan、& Furlong)により関東圏の小学校4校小学生955名(4年生34%、5年生34%、6年生32%)を対象に行われています。
    アンケートの結果から、海外の尺度と同様にSEHS-Pは「感謝」「楽観性」「熱意」「根気強さ」の4領域から構成されること(因子構造)が確認され、日本の小学生にもこのアンケートを適用できることが示されました。
    また、SEHS-Pの得点は、子どもの心身の健康状態や学級生活の満足度とも関連がみられ、意図しているものが適切に測定できていると考えられます。SEHSは自己評定アンケートのため、アンケートに自己を振り返り回答ができるとされている小学校4年生以上が対象になります。
    現在、標準化調査を継続中で、西日本の学校を対象とした調査を進めております。

  2. SEHS-S
    (中学生・高校生対象)の
    開発状況

    SEHS-Sの中学生における開発状況

    中学生の日本語版の開発は、伊藤他(Ito、Smith、You、Shimoda、& Furlong、2015)により北陸の中学校2校中学生975名(中学校1年生35%、2年生29%、3年生36%)を対象に行われています。
    アンケートの結果から、海外の尺度と同様にSEHS-Sは「自己信頼」「他者信頼」「感情コンピテンス」「生活の充実」の4領域と上記の12の要素から構成されること(因子構造)が確認され、日本の中学生にもこのアンケートを適用できることが示されました。
    また、SEHS-Sの得点は、学業成績・友人との関係・他者を助ける傾向・校則の順守・遅刻といった学校適応の側面を予測することが示され、意図しているものが適切に測定できていると考えられます。
    現在、標準化調査のため、東日本・西日本において複数の学校で調査を実施しています。

    SEHS-Sの高校生における開発状況

    高校生の日本語版の開発は、飯田他(飯田・伊藤・青山・杉本・遠藤・ファーロング、2019)により関東圏の4つの高校に通う高校生3,044名(中学校1年生35%、2年生29%、3年生36%)を対象に行われています。
    SEHS-Sは中学生・高校生に実施できるアンケートであり、項目内容は同じものですが、米国の尺度が更新されているため、新たに項目を翻訳し実施しています。アンケートの結果から、高校生においても、海外の尺度と同様にSEHS-Sは「自己信頼」「他者信頼」「感情コンピテンス」「生活の充実」の4領域と上記の12の要素から構成されること(因子構造)が確認され、日本の高校生にもこのアンケートを適用できることが示されました。
    また、SEHS-Sの得点は、学校への親和性・生活の満足度・心身の健康状態と関連することが示され、意図しているものが適切に測定できていると考えられます。

    高校は学校ごとに特色が異なるため、前述の4校は

    • 工業系・商業系・家庭系の学科を有する全日制の総合高校(25%)
    • 昼夜開講の3部制(午前部・午後部・夜間部)の総合学科単位制高校(18%)
    • 大多数の生徒が4年生大学に進学する全日制の普通科高校(36%)
    • 情報ビジネスコースを含む普通科と音楽科が併設されている高校(22%)

    を対象に調査を実施しています。
    これからさらに多様な地域、多様な学校種を対象に、標準化調査を進めていく予定です。

  • 高等学校における標準化調査は、平成28年度 明治安田こころの健康財団研究助成 (「学校全体メンタルヘルススクリーニング」の実践―各学校の援助ニーズの把握とそれを踏まえたコンサルテーションのために)を受けて行われました。
  • 現在行っている小学校・中学校・高校における標準化調査は、文部科学省科学研究費補助金基盤研究B 「子どもに強みに着目したメンタルヘルススクリーニングによる学校全体支援モデルの構築」(研究期間2020年度~2025年度)の助成を受けて行っています。