SEHSとは
私たちが開発しているSEHS(社会面・感情面の健康調査)の特徴は、メンタルヘルスの二次元モデル(Greenspoon and Saklofske, 2001; Suldo and Shaffer, 2008.)に沿って子どものメンタルヘルスをとらえる点にあります。メンタルヘルスの二次元モデルとは、子どものメンタルヘルスの不調(ディストレス)のレベルと、子どもの強みの認識のレベルを掛け合わせて、子どものメンタルヘルスをとらえる枠組みです。
心理的ディストレス | |||
---|---|---|---|
健常 | 要フォローアップ | ||
強みの認識 |
とても 低い |
脆弱 | 要フォローアップ (優先度高) |
低い | なんとか やりくりしている |
要フォローアップ (優先度中) |
|
平均 | やや活発 | 要観察+要フォロー | |
高い | 活発 | 要観察 (一貫性なし) |
|
とても 高い |
非常に 活発 |
要観察 (一貫性なし) |
ショックなことを経験するとだれでも一時的にひどく落ち込むことがあります。それは子どもも同様です。その際に、自分の強みを高く認識している子どもは、“自分にはたくさんの良いところがある” “自分は多くの人に支えられている” “自分で気持ちを調整することができる” “嫌なこともあるけど楽しいこともある”といった自己イメージや考え方をもっているため、その状況をもちこたえる力やその状況から回復する力が高いことが想定されます。
メンタルヘルスの状態が最も心配される子どもは、現在高いストレスを感じていて、自己の強みの認識が低い子どもになります。こうした子どもを学校の先生が把握し、子どもに対するサポートを増やしたり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの援助の専門家が早期に関わることができれば、子どものメンタルヘルスの改善につなげることができると考えます。
この2次元を簡便に測定できるアンケートが、SEHSです。
SEHSには小学生版と中学生・高校生版があります。詳しい調査内容については「SEHSとは」をご参照ください。
研究チーム
私たちの研究チームでは、学校全体のメンタルヘルススクリーニングを行うため、米国で開発されたSocial Emotional Health Survey(SEHS:社会面・感情面の健康調査)アンケートの日本語版の開発を進めてきました。現在、このアンケートを使用して、援助を必要としている子どもの早期発見のためのシステムの開発や、
その後のフォローアップ方法の検討を進めています。
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代表 飯田順子
筑波大学
メンタルヘルス
スクリーニング -
杉本希映
目白大学
保護者支援
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青山郁子
都留文科大学
ネットいじめ
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遠藤寛子
埼玉学園大学
怒りの制御
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川崎知巳
千葉商科大学
教師・管理職のサポート
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茅野理恵
信州大学
子どものサイン
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岐部智恵子
お茶の水女子大学
ポジティブ
心理学介入 -
杉崎雅子
小田原短期大学
SCによる移行期支援
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伊藤亜矢子
名古屋市立大学
学級風土
コンサルテーション
連携研究者
山崎沙織
SCの活用、高校調査研究協力
松山康成
小学校調査研究協力
横張亜希子
高校調査研究協力
岡安朋子
SSWの活用、小中学校調査研究協力
山田賢治
中学校調査研究協力
桑原千恵子
小学校調査研究協力
書籍紹介
いじめ予防スキルアップガイド:
エビデンスに基づく安心・安全な
学校づくりの実践
学校におけるいじめ防止の取り組みのなかで、「予防」に重点を置いて有効なアプローチを紹介する。国内外の理論や実証研究に裏付けられた知識・行動を具体的に解説し、いじめ予防のスキルアップを目指す。現場ですぐに使える、教職員研修用・授業用のダウンロード教材つき。
小学生のためのソーシャルスキル・トレーニング スマホ時代に必要な人間関係の技術
スマホ時代の子どもたちは、現実生活でもスマホ上でも、人間関係を築く力が求められているため、実はこれまで以上にソーシャルスキルが求められているといえます。この本では、子どもたちが必要とする基本的なソーシャルスキルを、早い段階から継続的に学級で教えていけるよう、各スキルの指導案・ワークシート・教える際のポイントが示されています。